ドローンワークの応用展開

軍事用ドローンの進化はもともと「操縦者が死なない」ための無人化が出発点だった。将来はさらに進んで、「人が介在しない戦争」になっていく可能性を秘めている。ドローンの小型化が実現しており、戦争の世界のゲームチェンジャーとなっている。

(もう30年以上前)ヤマハ発動機などが最先端で無人小型ヘリを開発していた頃、そのキラーアプリケーションは農薬散布であった。その頃から、製造したドローンが軍事に利用されることが問題で、簡単に輸出したらココム規制に違反してしまうため、非常に敏感な取り扱いをしていた。

現在ドローンはAmazonの配送のアプリケーションで実用化の段階となっており、UBERの空飛ぶタクシーも実用化間近になっている。そして30年前に予期していたとおり、軍事的にスウォーム攻撃など実践で活用されている。ご存知の通り、米軍よりも中国人民解放軍が積極的に活用している。

ハーバード大学 Kevin Ma博士らの研究チームは2013年にハエロボットを開発した。翼長は3cm、重さ80mgと、まさに昆虫並みのサイズである。このハエロボットの羽はカーボンファイバーの骨格で補強されたポリエステルの膜でできており、電圧をかけると変形する圧電素子によって、毎秒120回羽を羽ばたくことができる。この羽はあまりにも小さくて薄いため、普通の製造方法で作ることはそれまで不可能だった。研究チームは、重ねたシートを飛び出す絵本のように折りたたむことで、3次元的な形状を作ることに成功した。コンピュータ制御システムがハエロボットの動きをモニターして、左右の羽を別々に制御して飛行のバランスを取る。本物の昆虫のように滞空する「ホバリング」も可能となった。当時、ハエロボットはバッテリを内蔵しておらず、外部から電線を通じて電力を供給していた(これはロボットを駆動できる最小のバッテリーでも500mgの重量になってしまうためだった)。また、姿勢制御を行うにも外部のコンピュータが必要であった。Kevin Ma博士は当時、技術的問題は10年程度で解決すると予想していたのだが、既にブレークスルーは起こっているだろう。

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、ハチやハエに似た羽ばたいて飛ぶ超小型ドローンを開発した。昆虫のように機敏な動きが可能で、何かと衝突しても飛行を続けられるという。このドローンは農作物の受粉や、狭い場所の検査に使えるだろうと考えている。
カーボンナノチューブと薄いゴム製シリンダーを組み合わせ、柔らかいアクチュエーターを新たに作った。カーボンナノチューブに電圧を印加すると静電気が発生し、ゴムが伸びたり縮んだりする。この動きを制御して羽に伝えることで、1秒間に500回程度の速さで羽ばたかせられた。アクチュエーターを動かすのに高い電圧が必要なため、現在はケーブル接続して電力を供給している。この後、電池小型化により給電できるよう改良している。

このような形で近年、昆虫型ドローンの開発など、ドローンの超小型化技術が日進月歩で進展し、Amazonでは留守の家の中を探険して異状や危険を知らせるなどの応用が迫っている。映画監督やカメラマンの撮影技巧(カメラワーク)と言われていたプロフェッショナルの仕事の風景が一変したことは以前にもこちらのブログに記した通りである。

英国陸軍がミニドローン「Bug」を公開した。Bugはイギリスの軍事企業BAEシステムズが開発し、すでに30機を納品している。手のひらに乗る程度の大きさで200グラム以下で、40分間2キロ飛行が可能である。カメラが搭載されており偵察用に利用し、攻撃能力はない。緑色にカモフラージュされたBugをイギリス陸軍は敵の行動監視に利用している。

AIによる画像認識技術の進歩と任意の場所を自由に飛行できる超小型ドローンの技術が融合すると、これまで軍事応用の範囲に限られていた応用が私たちの身近に展開する。

GoogleDrive、AmazonDrive、YahooBoxなどのGAFAMは利用者にファイルなどのデータ保管のためのデータ容量を提供しているが、その中をいつもチェックして個人情報を収集している。個人を特定するための写真データと住所を秘密裏に情報ピックアップして、配送ドローンを使って人工ウィルスを直接登録の自宅住所にばら撒いたりすることもできてしまう(配送ドローンで直接届けなくても、配送物に新型コロナウィルスを同梱したり、付着させることは容易い、ドローンでなくても訪問者(刺客)を送ることもできるので個人データの管理は特に慎重にすべきだろう)。最後の動画(slaughterbots)が映す姿は恐ろしい現実であり、もしその意図を持ち、ターゲットが特定できれば、殺戮さえ簡単に実行可能になっている。

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