脱原発、汚染水をどうする?

環境大臣への小泉進次郎氏の起用

アンダーコントロールと言って東京オリンピックを誘致した安倍首相が放置してきた福島第一原発の汚染水問題は、東京オリンピックだけでなくこれからの日本の国の威信に関わる根幹の問題である。1~3号機の原子炉では、溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やすための注水で汚染水が生じる。タンクにたまり続ける放射性トリチウムなどを含む汚染水は2019/09時点で約115万トンに上り、約980基のタンクに保管されているが、1日あたり150トン前後増え続けている。東電によると、敷地の制約から計約137万トン分でタンク設置は限度を迎え、地下水の流入量を抑えたとしても、2022年夏ごろにタンクは満杯になるとしている。

今回(2019/09/11)の内閣改造で、小泉進次郎氏の環境(原子力防災担当)大臣への起用は、安倍内閣としては”絶妙の”(純一郎氏ら原発反対派からの抵抗を緩和して、進次郎氏の人気を使って問題を片付ける、悪い言い方をすれば責任転嫁とも見える)人事と言える。

小泉進次郎氏曰く。「まず、あす福島に行きます。環境大臣の仕事、原子力防災担当大臣の仕事は、私が今まで取り組んできた復興、特に福島の中間貯蔵、そして除染、こういったことの加速化は東日本大震災の復興に欠かせません。まずはすぐに福島へ行って、関係の方々にご挨拶をしたいと思います。」

小泉進次郎氏は9/11夜、環境省で開いた就任記者会見で、「どうやったら(原発を)なくせるのか、どうやったら事故の恐怖におびえることなく生活できる日本を描けるかを考え続ける」と述べた。原子力発電に頼らない社会を目指すべきだとの考えを示した。小泉進次郎氏はどの自民党の議員より福島に通ってきた。復興大臣政務官として携わって以降、被災地の問題は彼のライフワークでもある。地元との関係も築いてきた彼が、汚染水問題という難しい舵取りを迫られる仕事で結果を出せるかが問われる。

彼が汚染水問題を解決し、脱原発に舵を切る政策を中核にして自民党の政策を推し進める道を拓けたら、与野党をまたがる大多数の賛同を得て、安倍首相が念願としている憲法改正でも連携できるかもしれない。

東日本壊滅の危機に直面した福島第一原発

この後、オリンピックにかけて福島第1原⼦⼒発電所の後始末がクローズアップされてくる。汚染水の処理に関わる議論では、その前提としての事実を確認しておかない。2019/09/19には、福島第一原発事故の刑事裁判の判決が下り、2020/03には福島第一原発の中で何が起きていたのかの映画『Fukushima 50』が公開される。

映画『Fukushima 50』は04/17にクランクアップしている。原発内に残り、事故の収拾にあたった地元福島出身の作業員たちは海外メディアからFukushima 50と呼ばれた。福島第一原発の中で本当は何が起きていたのか?真実は何か?東日本壊滅の危機が近づく中、苦渋の決断を迫られる彼らが胸の内に秘めた思いとは?などについて、豪華キャスト・スタッフによって日本映画最大級のスケールで映画化されている。2011/03/11の東日本大震災の時、福島第一原発で起きた日本の危機的状況を思い起こしてほしい。

短編映画「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」2019/07/10 に公開

真実は隠せない~有罪判決を求める東電刑事裁判判決直前大集会 2019/09/08 に公開

映画『Fukushima 50』クランクアップ記者会見/Fukushima 50: Press Conference

福島第一原発は津波が来る前に壊れていた

福島第一原発の事故検証について、見直しが行われるべきだろう。元東電関係者は、「劣化していた配管が地震の影響で破損して水漏れをおこし、冷却水が回らなくなっていた。東電が公開した過渡現象記録装置のデータは、地震後1分30秒後に燃料冷却機能が失われていた可能性が高いことを示している。」と指摘している。この事実は、津波来襲前に危機的状況に陥ったとして詳しく記述されている。津波到達前に放射線が吹き出していた事実は米軍も公表している。

「津波が来る前に壊れていた」という事実は、これまで「津波が事故の原因」として再稼働に舵を切ろうとしている原発政策に、見直しを求めることになる。汚染水を中心に記録してきた原発事故の真相についてよくふり返っておきたい。

元東京電力社員・木村俊雄が告発する福島原発事故の真相 2-1 2013年7月10日記者会見

元東京電力社員・木村俊雄が告発する福島原発事故の真相 2-2 2013年7月10日記者会見

元東電社員の告白 辞めたワケと20年前の"ある事故"「報道特集」2011/11/26放送

元東電社員木村俊雄氏:原発再稼動 わたしはこう思う「報道特集」2012/04/03放送

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