脱原発、汚染水をどうする?~続き
トリチウムを含む処理水「健康被害が無いなんて、大ウソですよ !! 」
福島第一原子力発電所以外の世界の原子力発電所からトリチウムを含む水が海に放流されているが、その理由はトリチウムを分離する技術がないからで、科学的にトリチウムが安全である証拠はどこにもない。経済産業省の汚染水処理対策委員会で、多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会が行われた際に、述べられた西尾正道氏の見解の動画を見て欲しい。トリチウム(三重水素)は一種のβ線核種であり、トリチウムがβ線を放出してヘリウムに変換することで生物学的な毒性を有する。トリチウムは水や水蒸気の形で人体に入ると99%吸収されるだけでなく、皮膚からも吸収される。摂取量の2%はDNAに取り込まれるといわれている。動物実験では、特に造血組織を中心に障害(白血病等)が生じることが明らかになっており、人が長期間摂取した際にも重大疾病が発生するなど、人体の影響は極めて大きいとの報告がある。北海道の泊原発の近隣で、がん発症数が多いのは、事故がなくても放出されているトリチウムが原因と西尾正道氏は語っている。
放置されている地下水脈への流出
貯蔵タンクのキャパシティーとの問題から注目され、上記のように議論されている汚染水であるが、これは地下水の流入から流出を差し引いた結果としての汚染水の増加量だけの議論である。一方で全ての放射性物質を含む建屋の汚染水が、地下水脈に流れ出していることについては隠され続けている。
つまり東電が発表し、経済産業省の汚染水処理対策委員会で議論されている汚染水は、「建屋に流れ込む1日約300トンの地下水は建屋内の高濃度汚染水と混ざり、約300トンの新たな汚染水となって毎日増え続ける」とされている。ところが、建屋に流れ込む水があるということは、逆に建屋から地下水脈へと流れ出す水がある。この地下水脈へと流れ出る高濃度汚染水は原発事故以来、だれもコントロールしていない(参考:フクシマ原発からの放射能漏洩はトテツモナイ量に!)。