腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)
七十二候・芒種の次侯「腐草為蛍:くされたるくさほたるとなる」の時節(6/11~6/15)に変わり、草の中から蛍が舞い、明りを灯しながら飛び交う頃となった。古くは、暑さに蒸れて腐った草や竹の根が、蛍になると信じられていたそうだ。水辺や野の暗がりに浮かんでは消える蛍の光は、まさに夏の風物詩、夏の夜を幻想的に照らし出してくれる。
清少納言の枕草子『春はあけぼの』の夏の風情として、蛍の様子が綴られている。
夏は夜。
月のころはさらなり。
やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。
雨など降るもをかし。
(夏は夜が趣深い。月が出ている夜はもちろんのこと、闇夜もまた、蛍が多く飛び交っている様子も良い。また、それらがただ一つ二つと、ほのかに光って飛んでいるのも良い。夜に雨が降るのも趣があって良い。)
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二十四節気 | 七十二候 | 名称 | 意味 |
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芒種(6月6日ごろ) | 初候 | 螳螂生(かまきりしょうず) | 螳螂が生まれ出る |
次候 | 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる) | 腐った草が蒸れ蛍になる | |
末候 | 梅子黄(うめのみきばむ) | 梅の実が黄ばんで熟す | 夏至(6月21日ごろ) | 初候 | 乃東枯(なつかれくさかるる) | 夏枯草が枯れる |
次候 | 菖蒲華(あやめはなさく) | あやめの花が咲く | |
末候 | 半夏生(はんげしょうず) | 烏柄杓が生える | |