魚上氷(うおこおりをいずる)

七十二候・立春の末侯「魚上氷:うおこおりをいずる」の時節(2/14~2/18)に変わり、魚たちが暖かさを感じ、割れた氷の下から魚が跳びはねる頃となった。寒い冬、魚たちは池や湖、海などの深場でじっとうずくまり、代謝を下げて春を待っている。やがて吹く風が柔らかくなり、温かくなった水の中には、ゆらゆら泳ぐ魚の姿が見え始める。春を感じた魚たちが産卵やエサ探しのために水の浅いところに移る動きを「巣離れ」という。

氷上での魚といえば、ワカサギ釣りが頭に浮かぶ。氷張る冬に釣れるのは、ワカサギが冷たい水を好み、それ以外の魚が泳いでいないためと言われる。ワカサギは漢字で公魚と書き、その由来は江戸時代に将軍への献上品になっていたからであるらしい。2月からは次第に各地で渓流釣りが解禁となる。渓流釣りといえば岩魚が人気である。岩魚は日本在来の渓流魚で、川の上流の中でも源流に近いところに多く生息している。岩陰に潜んで餌をとるため、岩の魚と書いて「いわな」となった。


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二十四節気 七十二候 名称 意味
立春(2月4日ごろ) 初候 東風解凍(とうふうこおりをとく) 東風が厚い氷を解かし始める
次候 黄鶯睍睆(うぐいすなく) 鶯が山里で鳴き始める
末候 魚上氷(うおこおりをいずる) 割れた氷の間から魚が飛び出る
雨水(2月19日ごろ) 初候 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる) 雨が降って土が湿り気を含む
次候 霞始靆(かすみはじめてたなびく) 霞がたなびき始める
末候 草木萌動(そうもくめばえいずる) 草木が芽吹き始める
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