食物アレルギーの原因もグリホサート

私たちが毎日食べている食品の中に残留している除草剤の成分であるグリホサートが、食物アレルギー、癌、発達障害などの原因であることが明らかになっている。2015年に世界保健機構(WHO)内の国際がん研究機関(IARC)がグリホサートの発がん性の疑いを発表し、その後因果関係がほぼ明らかになった。米国では除草剤を世界に供給していた米モンサントであるが、製品(ラウンドアップ)で癌になったとして一件あたり数千億円の賠償判決を受け、現在も4万数千件の訴訟を抱えている。米モンサントは身売りし、2018/06に独バイエルにより買収・吸収されている。

2019年7月31日に国際産婦人科連合が、胎盤を通って胎児に蓄積し長期的な後遺症を起こす可能性があるとし、世界規模での使用禁止を勧告した。グリホサートは、脳神経を直接侵すものとして、米国では発達障害の原因のひとつだと認められている。

除草剤グリホサートや遺伝子組み換え食品などから子どもの食を守るために1人で立ち上がり、米国の食卓を変えてきたゼン・ハニーカットさんが、2019/12の講演で米国の最新の事情を語っている。

対して日本では、意図的に使用を勧めている

日本で流通しているパンについて、農民連食品分析センターが検査を実施したところ、15製品中、11製品からグリホサートが検出されている。

除草剤の主成分のグリホサートとその代謝物が、国会議員を含む28名を対象にした検査で7割の人の髪から検出され、グリホサート禁止を目指す任意団体「デトックス・プロジェクト・ジャパン」が2019/08/08に都内で記者会見を開き、検査の結果を公表している

日本が100%近く輸入している小麦、大豆、トウモロコシを生産する米国、カナダ、オーストラリアでは、収穫前に農作業の手間を省くためにラウンドアップを散布している(プレハーベスト除草剤)。米国、EUでは大変な騒ぎになっているにも関らず、日本では報道されないが、ようやく政策課題とする人たちが現れている。

種子法廃止と日本農業の現状について

主要農作物(稲、麦、大豆)の各地域に根差した品種の保持や安定供給を支えてきた主要農作物種子法(種子法)の廃止法が2017年4月に成立し、2018年4月に施行された。日本の種子の管理状況について取材を行い、日本が直面している農業のあり方と食の安全保障について議論した貴重な番組を見つけたのでご参考まで。除草剤の使用とは少し視点が離れるが、昔に比べて野菜が不味くなったわけや、F1(雄性不稔)種の野菜しか食べられなくなった私たちの子孫への影響など、取り返しのつかない食の現状を理解しておかないといけない。

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