石井紘基がやり残した改革を貫徹せよ

民主党の衆議院議員だった石井紘基氏は、2002年10月25日、東京都内の自宅駐車場で暴漢に襲われ、左胸を刺されて命を落とした。石井氏は議員活動の中で、特殊法人の無駄遣いや官僚の天下りなどを問題視し、国の不透明な特別会計に切り込むなど、国政調査権を使った独自調査によって、一貫して権力の不正を糾弾してきた。

官僚たちが特殊法人の役員に天下りする形で、税金、公共料金、保険料、住宅家賃、交通費などを自分たちの裁量で按配して不当な利益を得ている。中国のように賄賂という形で官僚が懐に入れていればもちろん日本では収賄などの犯罪になるが、特殊法人や民間子会社を支配する官民癒着の構造で合法的に運営する仕組みが日本社会でも温存されている。

本日は石井紘基氏の命日なので、この機会に彼が何をやろうとしたかを振り返っておこう。

「これで与党はひっくり返る」と民主党の石井氏が小泉政権に対して予定していた国会質問の内容をまとめた資料は、犯行現場から消えたまま発見されていない。彼がいなくなった民主党はその後政権を担うが、官民癒着の構造改革はほとんど実行されずに終わってしまった。

残念ながら石井氏の暗殺以降、この構造にメスを入れる勇気ある国会議員はいなくなってしまった。

日本病の正体

特別会計と一般会計との二重帳簿で覆い隠して、財政投融資、外国為替運用、原発マネー、戦後処理費用などの収支の詳細が全く明らかにされていない。特別会計の中身を国民の目の前に明らかにし、犯罪まがいの活動で私腹を肥やす売国奴を公の場に引きずり出して糾弾し続けないといけない。

暗殺の謎

この20年以上の長期間、日本で続けられている緊縮財政への反省と迫りくる世界同時不況への予防の観点から、MMTの議論を初めとする財政出動擁護へと政策運営の基調が今変わりつつある。しかし、特別会計のような不明瞭な構造を残した官民癒着の経済システムへ多額の国家予算を投入しても、既得権益企業や腐敗官僚たちを焼け太りさせる結果しか生まない。是非とも、明朗な会計への改革を推進した後に国土強靭化、教育改革などへの財政投入を推し進めてほしい。

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