蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
七十二候・小満の初侯「蚕起食桑:かいこおきてくわをはむ」の時節(5/21~5/25)に変わり、卵から孵化した蚕が盛んに桑の葉を食べ始める頃となった。ひと月ほど後には白い糸を体の周りに吐き出しながら繭をつむぎ、この繭から美しい絹糸が生まれる。蚕のえさとしてしか捉えられていなかった桑の葉であったが、近年様々な栄養素が入っていると注目されるようになり、桑茶という健康茶として飲まれる。
養蚕は、戦前までは農家の約4割が携わっていたこともあり、まさに日本の主要な産業であった。その名残か桑畑は、果樹園や畑地のように独立した地図記号にもなっている。日本には、桑の地名が散見される。私自身の生まれ育った土地も「桑島」という町名で、海の近くで水田ができない土地を桑畑にして、桑の葉を農家に供給していたことがその由来だと想像する。
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二十四節気 | 七十二候 | 名称 | 意味 |
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小満(5月21日ごろ) | 初候 | 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) | 蚕が桑を盛んに食べ始める |
次候 | 紅花栄(べにばなさかう) | 紅花が盛んに咲く | |
末候 | 麦秋至(むぎのときいたる) | 麦が熟し麦秋となる | 芒種(6月6日ごろ) | 初候 | 螳螂生(かまきりしょうず) | 螳螂が生まれ出る |
次候 | 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる) | 腐った草が蒸れ蛍になる | |
末候 | 梅子黄(うめのみきばむ) | 梅の実が黄ばんで熟す | |