ワクチンを巡る差別禁止を求める

2021年2月日本弁護士連合会

 

 

 

 

ワクチンを巡る差別禁止を求める

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STOP!コロナ差別から拡げて、私たちの人権を守る

<Ⅰ>STOP!コロナ差別が生まれた時の人権擁護対応

新型コロナウイルスの感染者や医療従事者、その家族などに対する不当な差別・偏見が生まれて社会問題となった。これに対応して日本で第3波が続いていた2021年初頭に、特措法が改正(2021年2月13日)され、感染者やその家族、医療従事者等の人権が尊重され、差別的な取扱いを受けることのないよう、偏見や差別を防止するための規定が設けられた。

特措法が改正された時点で、日本全国の累計PCR陽性者数は41万3千人(現在2021年10月24時点で171万7千人)であり、これは人口の0.3%(現在でも人口の1.4%)に当たるPCR陽性者に対応した法改正であった。

STOP!コロナ差別 <=> STOP!ワクハラ

<Ⅱ>ワクハラはワクチン未接種者への差別

ではワクハラはどうだろうか。ワクハラの対象になっているワクチン未接種者は差別されていないだろうか。自身の判断でワクチン接種を未だ見合わせている人は現時点でも20%以上おり、この中にはアレルギーや免疫疾患などを患っていて医療的にワクチンは打てない人もいる。新型コロナウィルス対策の軸足をワクチン接種に置いている現在の国や地方自治体の対応は、社会の同調圧力を容認してワクハラなどの差別を生んでいる(<Ⅴ-1>ワクチンを巡る差別に関する雑誌・新聞記事参照)。

現在の新型インフルエンザ等対策特別措置法の「新型インフルエンザ等患者等」には明らかにワクチン未接種者が含まれていると解釈すべきである(文言上、この解釈が許されないとすれば、すみやかに法改正すべきである)。

STOP!コロナ差別 <=> STOP!ワクチンパスポート

<Ⅲ>ワクチンパスポートはコロナ差別かつ違憲

現在の新型インフルエンザ等対策特別措置法の「新型インフルエンザ等患者等」には明らかにワクチンパスポート発行の対象とならないワクチン未接種者が含まれていると解釈すべきである(文言上、この解釈が許されないとすれば、すみやかに法改正すべきである)。

ワクチンパスポートは新型コロナの感染拡大を防ぐためという謳い文句で推進されているが、明らかに基本的人権の侵害である。人命に係わる事態認識から醒めて冷静に考えれば、行政の裁量や公共の福祉などの名目で経済的自由を人権に優先させるような政策は違憲である。

埼玉県の弁護士会が「ワクチンパスポート制度によるワクチン接種の事実上の強制及びワクチン非接種者に対する差別的取扱いに反対する会長声明」として、10月13日に同様の趣旨の表明をしている(11/4追記)。

先だって日本弁護士連合会は「新型コロナウイルスワクチン接種に関する提言書」の中で、本件ワクチン接種に関する偏見差別防止やプライバシー保護を行うための有効な施策を講じることなどを記し、2月22日付けで国務大臣(新型コロナウイルスワクチン接種推進担当)、厚生労働大臣、各政党代表者、全国知事会会長、全国市長会会長、全国町村会会長宛てに提出している。(11/13追記)。

パブコメ(2021年7月1日)に提出した個人的なワクチンパスポート反対の意見を参考に記しておく。

1.パスポートによる移動の自由の制約は基本的人権侵害である
そもそもパスポートは移動の自由という基本的人権を制約する方向である場合には、そのような制度は廃止すべきである。パスポートは、犯罪により他者を害したり国家安全保障などを害する入国者の管理のみの目的でしか存在意義はない。
2.ワクチンの有効性は保証されておらず、有効期間は短い
新型コロナウィルスは2週間に一度変異が起こるもので、その変異の度にワクチンの有効性は減少していく。これまでのインフルエンザなどのワクチンでさえ年ごとに再接種を行なうことでしか有効性が担保できず、新型コロナウィルスの場合はさらに短い期間に有効性が消失してしまう可能性が高い。現時点でも変異株の発生によりワクチンの有効期間は数ヶ月以下との観測もあり、通常のパスポート有効期間(5年~10年)に比べて異状に短いため、高い頻度の更新が必要となる。
3.ワクチンパスポート発行の手数と費用がその有効性に見合わない
更新に係わる手間と手数は煩雑であり、更新の度に多額の費用負担が予想される。この費用は(例えば現在のパスポートの場合、窓口に近い場合でさえ数時間の手間、発行手数料1万数千円が必要)、ワクチンパスポートの有効性に対して、更新の手数と費用は一般国民の感覚からすると受け入れ難い。
4.新型コロナ感染するリスクを見誤っている
新型コロナに感染するリスクと比較して、ワクチン接種で重症化・死亡するリスクが相当程度に高く、現在の日本のコロナ感染状況に見合っていない。特に若年層では死亡リスクゼロであるのに、ワクチン接種して重症化・死亡してしまうリスクの方が高い。
5.ワクチン接種妄信の施策は具の骨頂である
医療崩壊を避けるための病床充実、重症化させないための予防法啓蒙、ワクチン以外に有効性のある薬品(イベルメクチン等)の認可などの施策が進行していない。オリパラ実施、高齢者・基礎疾患者の危険回避、集団免疫の達成などの理由で、健康な一般国民全てに対して治験実施中のワクチンを接種すべきとのワクチン妄信の施策が推し進められている。ところがワクチンの有効性は未知数であり、危険を侵して接種したとしても目的とした社会的成果が達成される見込みは無い。このような形でワクチン接種に妄信する現在の政府および地方自治体の施策は具の骨頂である。
6.ワクチンパスポートがワクチン強制接種を助長する
ワクチンの有効性が未知数であり、有効期間は短いにも係わらず、ワクチン接種のみに頼るワクチン接種政策が推し進められている。これに伴ない多くの一般国民が副反応で健康を害したり、働く権利を害してしまっている(厚労省のコホート調査2021年6月9日の通り)。ワクチンパスポートは、ワクチン接種へのさらなる同調圧力を生み、ワクチン強制接種を助長してしまう。本来任意であるはずのワクチンの接種が強制的に実施される結果を招いてしまう。

 

<Ⅳ>ワクチン未接種者に対する差別も禁止する条例

県や市などの地方自治体の中で、「新型インフルエンザ等患者等」の範囲をワクチン未接種者にも拡大して、コロナを巡る差別をすべて禁止する条例改正を行なっている自治体がある。

先に図を引用した通り、2021年10月3日に共同通信が伝えた記事によると、差別を禁止している県は石川、長野、岐阜、三重、和歌山、鳥取、徳島、高知の8県になり、27道府県は、国がさらに対策を進める必要があるとし、「どのような行為が差別に当たるのかをより具体的に示してほしい」と要望したと伝えられている。以下に石川県、徳島県、明石市の条例の文面をピックアップしてみた。

石川県新型コロナウイルス感染症に係る差別の解消の推進に関する条例(全文)

徳島県新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に関する条例

自治体ではないが文科省は、通達を医療関係の大学など教育機関に発出してワクチン接種が任意であることを通知しており、学生等の状況に応じた学修機会の確保等を図っている。文面を一部抜粋すると「== また、ワクチン接種やPCR 検査等について、実習施設側に対し、学校養成所等としての感染防護の取組状況や、学校養成所等側が行っている学内外での感染対策や実習前後での学生等への感染管理教育の内容等を説明し、検査等が実習の受入れの必須要件にならないよう、受入れ機関との対話を積極的に行うよう努めてください。==」となっている。

住民の権利を行使して(陳情・請願などの手続きを活用して)、自治体に対しワクチン未接種者に対する差別禁止を明記した条例を要望したい。

 

<Ⅴ>ワクチンを巡る差別の実情

<Ⅴー1>ワクチンを巡る差別に関する雑誌・新聞記事

副作用や死亡報告が怖い…「ワクチンを打たない」と決めた人を悩ますワクハラの現実 2021年10月10日 週刊女性PRIME

ワクチン差別 未接種者の不利益防げ 2021年10月7日 京都新聞<社説>

「もう打った?」ワクチンの不安と同調圧力、対処方法は? 2021年7月16日 全国新聞ネット

職場の〝ワクハラ〟に注意 「打たないと退職」強要例も 2021年6月22日 日本経済新聞

ワクハラと副反応に注意! 2021年06月22日 宮代学園台HP

<Ⅴ-2>住民の実情報告と法・条例改正への陳情・請願

住民から条例制定を求める場合、県や市区町への請願・陳情となるが、陳情では署名が一定数ないと議会決議まで持っていくのは難しい。となると議員(できれば複数)の署名を得ての請願となる。

個人的に属している宮代町の議員は全員”コロナ脳”なので賛同してくれそうもない。そこで、会として埼玉県条例を目指すとよいと考えるが、まず地元住民の代表として選出している県議に個人的にアプローチしている。

新型コロナに係わる差別の問題について、県議会でもマスク強制禁止の要望を議論しているようである。「様々な理由でマスクができない方がいることへの理解について」、一人の議員が対応を求める答弁がある。マスクやワクチンで検索すれば、議員の発言や県側の答弁が議事録に残っているので(何ヶ月か前までしかなく公開は遅い、県議ごとの答弁中継録画をこちらで確認できる)、これを読むと議員の考え方や県の姿勢が分かる。これに関連した議論は10/21も県議会で話をしていたようで、地元選出の県議も電話口でその説明をした。

<Ⅴ-3>差別等の防止に向けた普及啓発、相談受付の義務あり:国・地方自治体

ワクチンを巡る差別の問題は令和3年2月に新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部が改正されたときから、偏見・差別等の防止に向けた普及啓発、相談受付を行なうよう法律に明記されている。住民は被っている差別などの被害を直接議員に訴え、議員は相談を聞き報告・集約して改善のための施策を行なっていくという流れになるだろう。

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