雉始雊(きじはじめてなく)

七十二候・小寒の末候「雉始雊:きじはじめてなく」の時節(1/15~1/19)に変わり、雉のオスがメスを求めて鳴き始める頃となった。雉は日本固有種の美しい留鳥で、日本の国鳥でである。民話や童謡でもおなじみであり、古名をキギスまたはキギシといい、それが転じて「キジ」になった。宮廷や貴族の間では美味なるものとして好まれ、雉子の切身を焼いて熱燗の清酒をかけた「御雉子(おきじ)=雉子酒」は天皇が正月の祝いに用いたとされている。

雉のメスは全体的に茶褐色をしているが、オスは目の周りに赤い肉腫があり、深緑色を主色とした長く複雑美麗な羽をもっている。早春の発情期になると、オスは「ケーンケーン」と甲高く鋭い声で鳴いて縄張り宣言する。日本の国鳥がツルでもトキでもなくキジであるのは、オスの勇猛果敢さ、メスの強い母性愛が背景にある。また雉は、地震を予知して鳴くと言われ、古くからその挙動が注目されてきた。これは、足の裏で震動を敏感に察知できるからで、地雷・雷などの時に雉が鳴くことを「音合わせ」という。


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二十四節気 七十二候 名称 意味
小寒(1月5日ごろ) 初候 芹乃栄(せりすなわちさかう) 芹がよく生育する
次候 水泉動(しみずあたたかをふくむ) 地中で凍った泉が動き始める
末候 雉始雊(きじはじめてなく) 雄の雉が鳴き始める
大寒(1月20日ごろ) 初候 款冬華(ふきのはなさく) 蕗の薹(ふきのとう)が蕾を出す
次候 水沢腹堅(さわみずこおりつめる) 沢に氷が厚く張りつめる
末候 鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく) 鶏が卵を産み始める
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