梅子黄(うめのみきばむ)
七十二候・芒種の末侯「梅子黄:うめのみきばむ」の時節(6/16~6/20)に変わり、青々と大きく実った梅の実が黄色く色づき始める頃となった。梅は、古くから日本人に身近な植物で、もともとは花よりもその実が万病に効くとされ、奈良時代に薬用植物として中国から伝わった。じめじめとした梅雨に入り、身体の免疫力が落ちるこの時期、クエン酸が豊富で疲労回復、食欲増進の作用がある梅干しは、古くから重宝されてきた。収穫された梅の実は、梅干しや梅酒、梅シロップや梅ジャムなど保存食として幅広く利用される。殺菌作用も強いので食中毒の予防にも役立つ。梅酒用には、まだ青く熟す前のかたい梅が、梅干しや梅酢用なら、完熟してちょっと黄色くなったくらいのものがよい。
“梅の実が熟す頃の雨”ということから「梅雨」になったとも言われ、梅雨時である陰暦5月を「梅の色月」と美しく言い表した言葉も残っている。
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二十四節気 | 七十二候 | 名称 | 意味 |
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芒種(6月5日ごろ) | 初候 | 螳螂生(かまきりしょうず) | 螳螂が生まれ出る |
次候 | 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる) | 腐った草が蒸れ蛍になる | |
末候 | 梅子黄(うめのみきばむ) | 梅の実が黄ばんで熟す | 夏至(6月21日ごろ) | 初候 | 乃東枯(なつかれくさかるる) | 夏枯草が枯れる |
次候 | 菖蒲華(あやめはなさく) | あやめの花が咲く | |
末候 | 半夏生(はんげしょうず) | 烏柄杓が生える | |