自治会は必要か(2)
自治体の都合による自治会への仕事分担の構造
「自治会は必要か」の問いに対して、町の答えは以下の通りとなっている(地区・自治会ハンドブック別冊より引用)。
地区・自治会は、町内の住民でつくる任意の団体で、地域のお祭りや町民体育祭への参加などのレクリェーション活動を通して、住民間の交流や親睦を図るとともに、防災・防犯活動や高齢者の見守り、ゴミ集積所の管理や地区清掃といった地域が抱えるさまざまな課題の解決に取り組んでいます。
この回答は、地方自治体が行なう住民に対する最も大切なサービスを任意団体である自治会に丸投げしているだけで、全く答えになっていない。高齢者の見守りや地区清掃は、それぞれ業務に高度な専門性が求めらる場面が多く、本来ボランティアだけに頼る仕事ではない。一方で、(令和2年度は行なわれなかったのでその必要性が別の側面からも問われているが)、地域のお祭りや町民体育祭は無くても住民間の交流や親睦を図ることはできる。
果たして、住民が求めている地域での付き合いはどのような形なのか。自治会に対する住民の本音のニーズはどこにあるのか。これを突き止めなければ、自治会の活動は始まらないように思われる。
このような問題意識から、自治会の必要性は何かについて、ネットでいろいろと資料を当たりながら思考を巡らせてメモを作成してみた(以下作成途上、ブレインストーミングにご協力願いたい)。
住民が自治会に求めること(期待、ホンネ、妄想)
・お味噌やお醤油を借りられるご近所さん
・話し相手、遊び友達、困りごとの相談相手
・お散歩・体操など健康維持のためのお友だち
・買い物の足と荷物持ちを引き受けてくれる人(アッシー君)
・宅配ボックスの設置場所(集会所、拠点宅など)
・日用品(米、ペットボトルなどの重い物)の共同購入、自宅配送
・出かけたくなる/好奇心を満たす場所・友だち
・子供をちょっと見てくれる・安心して預けておける人・場所
・ゴミ当番の臨時代行(急に外出しなければならない時など)
・公園/グラウンドの草取り、木剪定、害虫駆除、消毒など生活環境の整備
・新型コロナ対応、ワクチン接種などに関する情報の極め細やかな説明
・防犯/防災のための施設の整備/環境整備(街灯、排水ポンプなど)
・災害の時の助けあい
・災害の時に安全な近くで快適な避難所
・世帯(家族)では得られない知恵/能力を授けてくれる人・場所
・自分たちが住み易い快適な場所・空間を増やすこと
・人生の記念/思い出の場所・機会
・遠くまで通わなくても収入が得られる場所・機会
・不動産が資産価値を維持できる環境整備
住民が自治会に求めること(意見・アイデア募集)
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以下、参考情報としてメモ書き(作成途上)
自治会は何をしているのか
自治会は、住民相互のふれあい、共同活動を通じて、地域を快適で住みやすくするためのさまざまな活動を行なっている(「活動の現状からみる今後の自治会のあり方とは」から引用)。大まかには表「自治会の活動と行政への協力内容」に記した活動である。
個人的に現在属している自治会(会員世帯数:約500)においては、総務部、会計部、広報部、防犯防災部、文化体育部、環境衛生部の6つの部会に分かれて活動をしている。以下に平成2年度の活動内容をメモしておく。
防犯防災部(役員4名)
防犯や交通を含む地域の安全、災害時の対応をはかる活動を行なっている。地域の巡回パトロールを実施しており、交通安全については、登下校時の見守り、旗振りなどがある。行政との連携で、消防・防災訓練、救命訓練などを行なっている。
環境衛生部(役員4名)
ごみ集積所の管理を含む環境美化を行なっている。4月/10月に当番表を作成して配布し、年4回報告書を作成する。
文化体育部(役員4名)
お祭り、イベント等の開催を含む文化・レクリエーション活動、子ども会や老人会を含む福祉活動を行なっている。
広報部(役員2名)
広報誌を年6回作成する。そのための取材・写真撮影の活動と編集作業を担当している。
総務部(役員2名)
総会や役員会の準備・運営を行い、各会の議事録を文書で作成する。自治会役員の名簿や自治会の年間行事予定を作成する。
会計部(役員1名)
全部の活動に必要な会計・管理を行なう。
参考になるページ
【完全ガイド】自治会活動のこと全部まとめました|これを読めば自治会活動のあれこれが全てわかる【自治会長備忘録】2020年度自治会長の経験を個人ブログで公開、KAz Lily|カズリリィ作成
活動の現状からみる今後の自治会のあり方とは 2020年4月30日公開、公益財団法人 山梨総合研究所 作成
地域自治組織のあり方に関する研究会報告書 平成29年7月公開、総務省自治行政局行政経営支援室
地区・自治会ハンドブック 2020年6月18日公開、宮代町役場町民生活課