紅花栄(べにばなさかう)

七十二候・小満の次侯「紅花栄:べにばなさかう」の時節(5/26~5/30)に変わり、紅花の花が盛んに咲く頃となった。咲き始めの頃は鮮やかな黄色であるが、成長するにしたがって徐々に赤色が増していく。紅花は、茎の末端に咲く花を摘み取ることから末摘花(すえつむはな)とも呼ばれ、万葉集にも登場する。紅花の原産はエジプトと言われ、日本にはシルクロードを通って飛鳥時代に伝わり、その後、近畿地方を中心に全国に広まった。江戸時代中期以降、山形県最上地方で大々的に栽培されるようになり、その地で作られる最上紅花は、徳島県で生産される阿波の藍玉と並んで「江戸時代の二大染料」として知られるようになった。

紅花の茎丈は1メートル近くまで伸び、キク科ながらアザミのような棘があるため、朝露を含んだ、刺がまだ柔らかい早朝にひとつひとつ丁寧に花びらだけを摘んでいく。花を発酵・乾燥させて作る染料「紅餅」は大変手間ひまがかかることから、幕末当時のその価値は、米の百倍、金の十倍という貴重品であった。同様に紅餅から作られる口紅も高価なものであったため、紅はごく一部の裕福な人々しか使用できず、花摘みをする農家の娘たちとは無縁のものだったという。


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二十四節気 七十二候 名称 意味
小満(5月21日ごろ) 初候 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) 蚕が桑を盛んに食べ始める
次候 紅花栄(べにばなさかう) 紅花が盛んに咲く
末候 麦秋至(むぎのときいたる) 麦が熟し麦秋となる
芒種(6月6日ごろ) 初候 螳螂生(かまきりしょうず) 螳螂が生まれ出る
次候 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる) 腐った草が蒸れ蛍になる
末候 梅子黄(うめのみきばむ) 梅の実が黄ばんで熟す
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