既に手にしている未来:Singularity has come !

AIが人類を超えると確信した瞬間

ちょうど一年ぐらい前の話である。2020年入試改革が何を求めているかについて、中学生の保護者に説明するプレゼン資料を作っている時だった。独力で鉄棒の大回転という離れ技を習得するAIロボットを目にしたのがその瞬間であった。深層・強化学習というアルゴリズムがコンピュータに適切に埋め込まれるときに人類の英知を超える能力を持ち、これまで予期されていた技術的特異点(Technological Singularity)が訪れる。これはまるでブラックホールと呼ばれる特異点が全宇宙を説明する物理を支配しているが如く、人類を支配するAIが登場するのが時間の問題であるという説得力のある説明である。
この説明会の数日前(2018/5/17)に開かれた未来投資会議で、大学入学共通テストにプログラミングなどの情報科目を導入する方針が確認されている。日本が技術者やSEの育成をないがしろにしてきたことで、世界に比較してIT技術で圧倒的に劣勢に陥った対策として打ち出された施策である。2020~2024年は教育制度改革という制度的特異点(Institutional Singularity)を同時に向かえることになる。

ブランコするAIロボットが自立学習して大回転に成功

IT、画像、ロボット技術分野を革新しているディープラーニングとよばれるプログラミング手法がキラーテクであり、その技術的特異点が到来していることに、独力で鉄棒の大回転という離れ技を習得するAIロボットを目にした瞬間覚醒した。説明資料に組み込んだ、ブランコをするロボットが同じアルゴリズムで鉄棒の離れ技を身に着ける汎用AI技術の核心部分をよくご覧ください。

技術的特異点は2045年よりずっと近い

2045年とされていた技術的特異点(Technological Singularity)が、実はすぐ目の前に迫っている証拠が至る所に見られる。例えば、サンデル教授の白熱教室の講義を見て欲しい。第一線の現場で活躍している優秀な参加者たちの発言を注意深く聞いていると、彼らは心の深層で、すでにAI(ロボット)が自分より優れていることに気づいて認めている。これはさまざまな分野や側面で、既にAIの技術的特異点が訪れていることと等しい。進化するAIを懐疑的にとらえるのではなく、若者たちのようにAIの能力を受け入れて、AIを道具として使いこなすことを考えるべきと思う。AIの力を知ること・認識することは、人間の不完全さやあるいは死など人の本質を深く考える機会となるからだ。

マイケルサンデルの白熱教室2018:第2回 AIは最適な恋人を探せるか

覚醒からもう1年、IT技術を使いこなせるようになるための修業に乗り出して今に至っている。
あのころ教室で書いたAI関連のページ:
2018年07月06日 皆が既に手にしている未来:Singularity has come !
2018年05月21日 Society5.0が始動:2024年度大学入学共通テストに情報科目
2017年07月14日 みなさんは人工知能(AI)を使いこなせますか?
2017年06月24日 AIやCRISPRは、あなたにとって何ですか?

I saw an AI robot that mastered gymnastics performance on the steel bar spinning with its body fully extended by itself, when I was convinced AI can go beyond human knowledge. Technical singularity that was supposed to be in 2045 is in fact immediately approaching. Being aware of and recognizing the power of AI will give us valuable opportunities to think deeply about human nature such as human imperfection or death.

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