温風至(あつかぜいたる)
七十二候・小暑の初侯「温風至:あつかぜいたる」の時節(7/7~7/11)に変わり、熱をはらんだ南からの風が、夏がきたことを告げる頃となった。温風とは南風のことをあらわし、梅雨明けの頃に吹く南風を白南風(しろはえ)、梅雨の間に吹く南風を黒南風(くろはえ)と呼ぶ。雲間から差し込む日差しも強くなってくる。
黒南風は、黒く重い雨雲を背景にして、白南風は白く浮かぶ巻雲や巻層雲を背景にした情景を表している。もともと漁師や船乗りの間で使われていた表現で、強い南風は天候の変化の兆候であり、不漁とも結びついて、歓迎されない風だった。本当は無色透明の風のはずなのに、色彩を使って風を表現する日本人の豊かな感性が覗える。
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二十四節気 | 七十二候 | 名称 | 意味 |
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小暑(7月7日ごろ) | 初候 | 温風至(あつかぜいたる) | 暖い風が吹いて来る |
次候 | 蓮始開(はすはじめてひらく) | 蓮の花が開き始める | |
末候 | 鷹乃学習(たかすなわちわざをなす) | 鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える | 大暑(7月22日ごろ) | 初候 | 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ) | 桐の実が生り始める |
次候 | 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし) | 土が湿って蒸暑くなる | |
末候 | 大雨時行(たいうときどきにふる) | 時として大雨が降る | |